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「むだ死にしない技術」堀江貴文

むだ死にしない技術 むだ死にしない技術
堀江貴文,予防医療普及協会

マガジンハウス
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2016年最後に読んだ本です。
あのホリエモン予防医学の本を!と思って読みました。
タイトルの「むだ死に」ってインパクトのある言葉だけれども、「予防できるはずの病気なのに、知識がなくて予防できず、死に至ってしまう」というのは確かに惜しすぎる。

感想を3点に分けて述べます。

ヘリコバクター・ピロリの検査を受けたいと思った

ヘリコバクター・ピロリ菌が胃がんの原因である」ということは前々から知っていました。衛生状態の向上に伴い感染率は年々減少しているとも聞いていたので、自分事ではないと思い込んでいました。

しかし、本書によると20代でも10%以下。
調べても具体的な数値を見つけることができなかったのですが、日本ヘリコバクター学会の「市民の方への解説」を読むと、2010年の推定値では20代も20%ほど感染しているようです。
保菌者(高齢者)からの感染もあると知り、他人事とは思えなくなりました。

日本ヘリコバクター学会のサイトには、ピロリ菌感染症認定医の一覧もあります。自宅の近くにも認定医がいて、保菌検査が受けられるようなので、一度調べてみたいと思いました。

ちなみに、同じように感染症が原因とされる子宮頸がんは検診を受けたことがあります。ウイルス検査と細胞診両方受けました。

予防にもリスクがあるが、予防せずに罹患するリスクも考える

昨今話題になっている子宮頸がんワクチンにも触れられていました。

副反応のリスクが取りざたされていますが、ワクチンを接種しないことによって将来がんになるリスクもあるわけです。本書では、副反応の対策を行いワクチンの普及を止めないようにするべきとの見解でした。

ワクチンを推奨するとかしないとかいった話は、集団の利益を最大にするための議論です。
たとえ何万分の1の確率でも、その何万人のうちの一人に該当してしまった人にとってはたまったものではないのは事実です。それでも何百人に一人がかかる病気の罹患リスクを効果的に減らすことができるなら、集団から見るとそれは有用とされます。

ですが自分自身にとっても、降りかかる確率は同じです。何万分の1の副反応のリスクを避けようとするあまり、何百分の1の罹患率を下げられないのはなんだかおかしい。病気の副反応のリスクを単独で取り上げるのではなく、ワクチンのメリットとデメリットを天秤にかけた上で選ぶ必要があると思いました。

医療関係者でなくても健康増進に関わる取り組みができる

冒頭で「ホリエモン予防医学の本を」と書きました。医師や医療従事者でない人がこういった本を出すのは珍しいなと思ったのです。しかも中身は医師の監修が入っているものの、堀江さんが書いた文章でした。

最後の章にはこんな言葉がありました。

医者ではない僕の立場から伝えたいのは、「健康法」ではなく、あくまでも「健康」に対する考え方であって、医療リテラシーを上げることや「健康論」なのだ。

どうしたら健康になれるか提案することはできなくても、どう情報を読み解くのか、どういう枠組みで考えればよいのか提案することは、医療関係者にしかできないことではないのだと気づきました。

私も「健康について情報発信できるようになりたい」と思いつつも、病院で働いたことがないのに何を言えるだろうかと思っていました。でも、机上で学んだ知識を元にしつつ、化学屋として身に付けたデータの読み方や考察の仕方を生かして記事が書けないかなーと試行錯誤したい気持ちになりました!
堀江さんみたいに発言力があるわけではありませんが、地道にやっていきたいです。

早速1本記事の構想を練っているので、年明けに書きます。

良いお年を。