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「仕事すればするほど儲かる」という発想がダメという話(7月27日クローズアップ現代)

相変わらず仕事が立て込んでおり、残業月60h(社内基準)を超えないギリギリでなんとか回している笠脇です。

仕事から帰ってきてたまたまテレビをつけたら、NHKクローズアップ現代で興味深い特集をやっていました。

www.nhk.or.jp

この中であった電通の社長へのインタビューで、一番印象に残ったのは以下の部分でした。

「時間を短くしても従来と同じだけの量と質、あるいは凌駕できるようにしていくことにたどり着かないと、それは事業が縮小していくということですから。会社にいる人間にとって、自分の会社が日々縮小していくことに向かって、自分の時間を減らして行くっていうことが、健全な働き方としてあり得るのかというと、私はあり得ないと思う

これを聞いて、まだまだ働き方改革への道のりは遠いと思った。

何故かというと、この発言の根底には「仕事をすればするほど儲かる、事業拡大できる」という発想があるから。仕事量を重視するという発想がある以上、「たくさん働く」ということからは逃れられない。

電通ではプレゼン資料を雛形化したりと効率化も進めているようだが、私は仕事効率化には疑問を抱いている。今までどおりの仕事が従来より早くできるようになれば、結局そのスピードを基準としてスケジュールが組まれるようになり、ちっとも勤務時間は減らないし楽にもならない、ということを経験から感じている。
この件については以前こんな記事も書きました。

yuru-bari.hatenablog.com

経営者としては、自分の会社の業績を下げたくないと考えるのはまあ当然かもしれない。ただ、過労死を出すような状況になっているにも関わらず、会社の縮小に向かっていけないから…なんて足踏みしているならばそのほうがよっぽど不健全でしょう。

とはいえ、会社は利益を得るためにあるもので、そうでなければ存続していけないというのは事実。でも、会社の目的は業績を上げることであって、たくさん働くことではない。
「たくさん働くほど業績が上がる」という考え方をやめ、無駄な仕事をなくして仕事量を減らして業績が上がるようにする方向に向かっていかないと、と感じている。

無駄な仕事をなくすというのは、自分の作業を見直すような個人レベルから、書類を廃止するといった現場の仕組みにも言えるし、採算の合わない事業を縮小するといったような経営戦略的な面でも取り組むべきことと思う。

でも「無駄な仕事をなくして仕事量を減らす」って、経営者に考えさせるのは難しいんだろうなー。自分の会社に現状無駄があるって認めないと先に進まないけど、そんなの認めたくないもんね。

以上、無駄な仕事多すぎな会社で疲弊している一社員の戯言でした。